2023年4月に関東へ移住し、楽曲制作・ライブ・サイファー主催など精力的な活動を行っているラッパー・miura。
主催イベント『Japonisme』の始動やアパレルブランドの立ち上げも予定しており、活動の幅を広げています。
そんなmiuraさんに、これまでの経歴や活動にこめている想い、楽曲制作をする上でのこだわりなどをインタビューさせていただきました!
ラッパーmiuraとは?私生活やアーティスト活動について
ラッパーmiuraの基本情報
幼少期・学生時代のmiura
――幼少期や学生時代のmiuraさんは、どんなお子さんだったんですか?
福島県の中でも結構田舎のほうで、伸び伸びと育ちました!
両親はあまり厳しい方ではなくて、意思を尊重してやりたいことをやらせてもらっていました。
中学時代や高校時代は、ラッパーらしい悪なバックボーンみたいなのはないですね。
ただ、校則だったり、理不尽なルールみたいなのに納得がいかないな~っていう想いはずっとあって。
日本の学校って、例えば髪型の決まりとか、理由が良く分からない謎ルールが多いじゃないですか。
とくに反抗とかはしなかったですけど、一方的に決められたルールはあんまり好きじゃなかったですね。
ソーシャルワーカーとしてのmiura
――今は学校でソーシャルワーカーのお仕事をされているとのことですが、具体的にはどんなことをやってるんですか?
いろいろな問題を抱えている子供やその保護者の相談事に乗ったり、学校では対応できないことに対して外部の機関を紹介してつなげたり、ということをやっています。
なかなか学校に通えない子供のサポートが多いですね。自宅に訪問したりもします。
ソーシャルワーカーってあんまり馴染みのない仕事かもしれないんですけど、学校の他にも病院や児童福祉施設なんかに配置されているんです。
大学で資格を取って、どこで働こうかなってなったときに、まずは子供が抱えている問題の幅が広い学校で働くのがいいかなと思って。
ただ、ずっと学校で、とは思っていなくて、今の職場で経験を積んでゆくゆくは病院で働きたいです。
――そうなんですね!HIPHOPの活動との両立はしやすいですか?
夏休みや冬休み含め、学校の生徒と同じスケジュール感で休めるので、両立はしやすい方だと思います。
1日の労働時間が7時間だし、時期によっては出勤日が週4だったりもして。
サイファーやイベントに行きやすくて助かっています。
アーティスト・作曲家としてのmiura
――ラッパーとして、これまでにどのような活動をされてきたんですか?
本格的に活動し始めたのが2023年の4月で、これまでは基盤づくりをメインに取り組んでいました。
自分で楽曲制作をしつつ、いろいろなサイファーに足を運んで知り合いや仲間を増やしたり、自分でもサイファーを開催してみたり。
最近ライブに呼んでもらえることも増えたし、交友関係も広がったので、今後活動の幅を広げていく予定です。
――クルーでの活動もされていますよね!
そうですね。
新橋サイファーで知り合ったSunさんとのクルー『Earthhall Cicada』と、Burdon君・くらげ君とのクルー『GRAND SLUM』に所属しています。
『Earthhall Cicada』ではプレイヤーやヘッズに刺さる曲を、『GRAND SLUM』では普段HIPHOPを聴かない人たちにも届くような曲を作っていきたいなと思っています。
『GRAND SLUM』では10月から定期イベントを3~4ヶ月に1回くらいの頻度で打つ予定です!
MCバトルにはあんまり出なくても、曲を作ってライブを頑張っていたら正当に評価されるシーンが理想だなと思っているので、クルーとして売れるための土台という意味でもイベントを頑張っていきたいです!
miuraにラップを始めたきっかけや今後の展望について質問してみた!
miuraさんに、以下に関する質問をさせていただきました!
- ラップを始めたきっかけ
- 楽曲制作をするうえでこだわっていること
- 尊敬しているラッパー
- イベントを主催するようになった経緯
- miuraさんに会う方法
- 今のHIPHOPシーンに対して思うこと
- 地元福島県について
- これから挑戦したいこと
①ラップを始めたきっかけは?
――miuraさんがラップをするようになったきっかけを教えてください!
中学生の頃に『高校生RAP選手権』が流行って、それがきっかけでHIPHOPが好きになって。
「自分でもやってみたい」という気持ちが芽生えてからは、自分でリリックを書いてみたり、目についたもので韻を踏む練習をしたりしていました。
ただ、田舎っていうのもあって周りにそういう人がほとんどいなかったので、本格的な活動はできていませんでした。
ラップにハマる友達がいても、3ヶ月くらいで飽きちゃって「ずっと一緒にやって行こう」みたいな仲間には出会えなくて。
――そんな環境でも自分でリリックを書いたりしていたということは、本当にHIPHOPがお好きだったんですね。
そうですね。自分はもともとハマれるものが少ない方で。
ただHIPHOPは、ブームに乗って聴き始めた周りの友達が飽きてからも、自分はずっと好きです。
あとは、「何か得意なものを見つけたいな」という想いが強かったっていうのもあります。
頑張って取り組んでいたサッカー部が途中でなくなっちゃったり、学校側が力を入れていたパソコン関連の勉強も苦手だったりっていう背景もあって。
――HIPHOPのどんなところが好きですか?
家柄とか育ちとか関係なく、スキルで評価されるところがすごく好きです。
カルチャー自体が大好きなので、今はラップメインで活動していますが、HIPHOPの9大要素のうちどれかにずっと携わっていけたらなって思っています。
②曲を作るときにこだわっていることは?
――miuraさんが楽曲を作るときに、こだわっているポイントを教えて下さい!
自分の人柄や考えが伝わるような曲にしたいと思って作っています。
あとは韻やダブルミーニングなどの言葉遊びが好きなので、意味を通しながらなるべくたくさん盛り込んでいます。
曲の中でどんな単語・言葉を使うかによって、ラッパーとしてのイメージが構築されていくっていうのがあると思っているので、言葉選びにもこだわっていますね。
――どんな流れで曲を作っているんですか?
自分の場合は、言いたいことを日ごろからメモしておいて、ある程度溜まったらビートを探して、一気にリリックを書くっていう感じが多いです。
過集中できるほうなので、1日から長くても2日くらいで書き上げます。
ミックスやマスタリングは自分ではできないので、他の方にお願いしてやってもらっています。
③尊敬しているラッパーはだれ?
――miuraさんが尊敬しているラッパーはだれですか?
たくさんいるんですけど、挙げるとしたらZORNさんとMEGA-Gさんの2人ですかね。
ZORNさんは、HIPHOPが好きになった当初から聴いています。
表現の幅が広いし、生活が音楽ににじみ出ている感じ、韻が固くて筋が通っている感じが大好きです。
自分が思う「ラッパー像」に近いんですよね。
MEGA-Gさんに関しては、ライミングがめちゃくちゃ綺麗なのと、いなたい雰囲気がたまらなく好きです。
一度『JUICY BUGER』というMEGA-Gさんが店主を務めている飲食店でお会いしたことがあるんですけど、すごく素敵な方でした!
――ありがとうございます!身近な人で仲が良いラッパーはいますか?
お世話になっていて、かつ尊敬しているのがSunさんです。
自分が初めて新橋サイファーに行ったときに出会って、意気投合して。
Sunさんはラッパーでありながら、DJやマスタリングなどいろいろなことができる人で、めちゃくちゃ凄いです。
自分の楽曲のレコーディングやマスタリングをやってもらってるし、この間は一緒に曲を作って客演としてライブをやらせてもらいました。
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④イベントを主催するようになった経緯
――イベント『Japonisme』を主催するようになった経緯を教えてください!
ラッパーとして活動していくうえで、自分の軸を確立することが大切だと思っていて。
呼んでもらっていろんなイベントに出ることも大事なことではあるけど、そればっかりだと軸が伝わりにくいんじゃないかなって思うんです。
自分がどんな考えを持っているのか、どんな人間なのかっていうのがを分かってもらう場として、イベントを打ちたいという考えに至りました。
もちろん、他の方のイベントにも積極的に出ていきたいです。
――なるほど…!めちゃくちゃ考えられていてすごいです。どんなイベントにしてきたいですか?
HIPHOPをメインにしながらも、他の要素も取り入れていきたいです。
実際に、第1回も、HIPHOPジャンルではないシンガーの方を呼んでいて。
ラッパーだけだとどうしても他の界隈からは入りづらいのかなっていうのがあるので、HIPHOPの要素は大切にしつつも他のものも盛り込んでいきたいですね。
他のイベントとのコラボもしていきたいし、アパレルブランドを立ち上げて物販も頑張っていきたいなって思います。
⑤miuraに会うにはどうしたらいい?
――ずばり、miuraさんに会うにはどうしたらいいですか?
主催イベント『Japonisme』だったり、自分が出演しているイベントに遊びに来てもらえると嬉しいです!
あとは、月1くらいのペースで日暮里サイファーの主催もしているので、来ていただければ会えます。
どちらもSNSで告知しています!
⑥今のHIPHOPシーンについて思うことは?
――今のHIPHOPシーンについて思うことってありますか?
自分がHIPHOPを聴き始めた当初よりも、プレイヤーもヘッズも人口が増えて、間口が広がってきているところだと思います。
誰でも参加しやすいイベントが増えているのはめちゃくちゃいいことだと思っているんですけど、イベント同士の繋がりみたいなのが薄いかなっていうのも感じています。
アングラなものから入りやすいイベントまで含めて、全部がHIPHOPの良さなので、それぞれが全くの別物みたいに認識されちゃうと悲しいなって。
受け入れやすいところからダークなところまでを繋げるイベントが増えたら良いと思っていて、自分が主催する『Japonisme』がその立ち位置になれたら嬉しいです。
だからこそ、バトルで有名な人・ライブがかっこいい人・地方で活躍している人…っていう感じでいろいろな人を呼んでいきたいです。
⑦地元福島県について
――今後も活動の拠点は関東の予定ですか?
いろいろな地域を回りたいので、来年は大阪に引っ越そうかなと思っています。
大阪のHIPHOPってめちゃくちゃ早いしアツいんですよね。
ただ、定期的に関東に戻って『Japonisme』は続けていきたいです。
――いろいろな地域に行きたいのはなぜですか?
HIPHOPは地域の色がすごく出るものだと思っていて。
実際に、自分が育った福島と東京では、サイファーひとつとっても全然違います。
自分の印象としては、東京はスキルフルな人が多くて、福島はオリジナリティが強い人が多いです。
福島って言っても、地域によってまた違ったりするんですけどね。
なので、今後は九州や東北など、各地のサイファーを回って色んなHIPHOPに触れていきたいですね。
――福島に戻るご予定は?
福島でHIPHOPをやる、というよりは、東京での活動を福島に還元していきたいという想いが強いです。
ゆくゆくは福島でもイベントを開催したいと思っています。
福島は、東京に比べるとラップをやっている人の数が少なかったり、外からの認識と実態が異なっていたりするので、その辺を変えていけたらいいなって。
⑧これから挑戦したいことは?
――miuraさんが今後挑戦したいことについて教えてください!
楽曲制作に関しては、3月中にEPをリリースしたいと思っています。
あとは、アパレルブランドを運営してイベントで物販をしていきたいです。
これまで以上にいろんな場所に足を運んで、繋がりも作っていけたらなって。
――アパレルブランド楽しみです!
ありがとうございます!
もともと服が大好きで、福島県にいたときも少しアパレル活動をしていて。
自分で作るのはもちろん、古着のリメイクにも興味があるんです。
拠点を大阪に移す予定なので、そのタイミングで古着も始めていきたいですね。
――その他にチャレンジしたいことはありますか?
UMB福島をとりたいです!!
バトルよりは音源メインで活動していきたいとは思っているんですけど、UMBは地域の色が強いので憧れがあって。
福島の名前を挙げておいて、地元でなにもできないのも恥ずかしいなっていうのもありますね。
ラップの上手さとバトルの上手さはちょっと違うと思っているので、両方頑張って結果を出したいです。
miuraのおすすめ音源『噂』
miura:地元福島への想いを一番ストレートに表現した曲です。
福島にあるものの名前とか表現したい単語を積極的に入れている曲です。
音源のなかで使う言葉によって、MCのイメージが固まると思っているので、言葉選びにこだわりました。
韻だけでなく、言葉遊びや引用も盛り込んでいるところもポイントです。
miuraの音源はどこで聴ける?
miuraさんの音源は、主に以下のサイトから聴くことができます。
らりすが思うmiuraの魅力
miuraさんは、HIPHOPに関する想いが強く、知識が豊富な方だと感じました。
生まれ育った福島県から関東に移住して、知り合いがほとんどいない状態から、1年間でイベントを主催するほどの基盤を作っているところがすごいです!
取材を通して、自分のやりたいことを実現するためにはどうすれば良いか、深く考えたりうまく人に頼ったりしながら動いている印象を受けました。
福島に還元したいという気持ちが、バトルや音源に反映されているところも素敵です!
【まとめ】ラッパーmiuraは福島出身のラッパー兼イベントオーガナイザー!
「いろいろな形でHIPHOPに貢献し続けたい」「地元福島県に還元したい」という想いのもと、楽曲制作やイベント主催などマルチに活動中のラッパー・miura。
人との繋がりを大切にしながら、着実に活躍の幅を広げています。
アルバムのリリースやアパレルブランドの立ち上げも予定しているとのことで、今後の活躍からも目が離せません…!